PCLinuxOS 64bit 版の現況について
先月16日に KDE 版の test05 が公開されました。
kernel-3.2.18
kde-4.8.3
となっています。
実環境にインストールして試用中ですが、"英語環境で 64bit のアプリだけを使う" という条件ならば、「常用しても大丈夫かな」と思わせる程度には仕上がって来ています。
しかしこの条件を一歩外れると、色々な問題に遭遇することになります。
先ず日本語化についてですが、現時点では Localization Manager (addlocale) を用いた日本語化は行えず、実行途中でエラーとなります。なぜならば、addlocale が要求する日本語化に必要なパッケージが現在のリポジトリでは提供されていないからです。
- fonts-ttf-japanses (UmePlus フォント)
- anthy
- scim-anthy
現在のリポジトリにはこれらのパッケージが存在しません。また上記以外にも、ibus 関係のパッケージも全くありません。
それでも、日本語フォントに関しては fonts-ttf-japanese-mplus_ipagothic が提供されているので、locales-ja や kde4-l10n-ja 等々のパッケージを手作業でインストールして設定を行えば、取り敢えずは日本語表示とすることは可能です。
しかし日本語入力は全くできません。日本語入力を行うためには、必要なものを自前でビルドするしかありません。(拙作の野良パッケージをご使用頂くという選択肢もありますが...)
次に、32bit ライブラリの取り扱いについて。
PCLinuxOS では MultiArch 方式が採用されている模様ですが、現時点ではこれが適正に機能していません。その上、本来は /lib64 下に配置されるべき 64bit ライブラリが /lib 下に配置されていたりする例も見受けられます。(例えば liblzma.so.5)
この様な状況から、現在のリポジトリには ia32-libs というパッケージが存在しています。このパッケージは 32bit 向けの Skype 用のアプリを動作させる為に必要な 32bit ライブラリを提供していて、これをインストールすると /opt/libs32 下に 32bit ライブラリが配置されます。
しかしこれはどう考えてもイレギュラーな方法であり、MultiArch が正常に機能していれば本来は必要のない(存在してはいけない)パッケージです。その様なパッケージをリポジトリに投入することが許されたこと自体、MultiArch が正常に機能していないことの証左であるとも言えます。
64bit 環境でも 32bit アプリを使いたいケースは時としてある訳で、正式リリースまでには MultiArch が正常に機能する様にして欲しいと思います。
.....と言うようなことを書いていたら、なんと、64bit の lxde 版の rc1 が公開されました(・_・;)
RC ということは、「重大な問題が無ければそのまま正式リリース版になるよー」なことであり、正直この時点で RC って、工エエェェ(´д`)ェェエエ工ー な感じです。MultiArch の件は「見なかったこと」にするつもりなのでしょうか?
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