2023/08/27(日)Mageia 9 リリース

Mageia 9 がリリースされました。9月のリリース予定と聞いていたのですが、前倒しされたのかな?
前の Mageia 8 のリリースが2021年2月末だったので、2年半ぶりの新版となります。

Mageia 9 での日本語廻りの事に付いては、Mageia 9 rc1 リリース で書いた内容から変わっていません。

個人的には Plasma 5 の Dolphin の設定で、起動時の表示を「前回のフォルダ、タブ、ウィンドウの状態」にしていても反映されないというバグが未修正のままリリースされたのがちょっと残念。

【追記】

上述の Dolphin の問題は、その後のアップデートで修正されました。

2023/07/23(日)Mageia 9 rc1 リリース

Mageia 9 rc1 がリリースされました。

ISO イメージはライブ版とインストール版(Mageia では "クラシック インストール版" と呼んでいる)の2種類が提供されています。
ライブ版では GNOME(64bit), Plasma(64bit), Xfce(64bitと32bit), の3種類のデスクトップ環境が提供されています。
インストール版では 64bit と 32bit の両方が提供されています。Mageia 9 でも32bit版のサポートが継続されています。

Mageia 9 の正式リリースは9月中に予定されている模様です。


以下、インストール版を用いて VirtualBox 上にインストールした環境での日本語廻りで気が付いた点などを(8 の時とほとんど同じですが)書き連ねてみます。デスクトップ環境は Plasma 5 です。

  • 日本語入力関係については 8 の時と変わっていません。すなわち、日本語入力に利用可能な主なインプットメソッドは下記になります。デフォルトが ibus-mozc なのも 8 と同様です。

    • ibus-mozc
    • ibus-anthy
    • uim-anthy
    • uim-skk

    リポジトリでは fcitx のパッケージは提供されていますが、fcitx-mozc 等の fcitx 上で利用可能な日本語入力環境は一切提供されていません。また、fcitx5 は提供されていません。

    それでも「ibus-mozc が使えれば必要十分」というユーザーであればこれで何ら問題は無いかもしれません。

    しかし上記以外の日本語入力環境、とりわけ「fcitx を使用したい」という場合には、自力でなんとかする必要があります。率直に言って、fcitx または fcitx5 を用いて日本語入力したいと考えている人は、それらをサポートしている他のディストリビューションを選択した方が苦労が少ないし幸せになれると思います。

  • ibus のバージョンは 1.5.28 へ更新されています。但し、ibus-gtk4 は提供されていません。

  • mozc のバージョンは 8 と同じく 2.25.4190.102 です。

    初期状態では mozc-tools パッケージはインストールされていないので、ユーザーによるインストールが必要です。

  • anthy は 8 と同じく UTUMI さんの anthy-9100h-20110409ut を用いてビルドしたものが提供されています。

  • Mageia コントロールセンター の [システム] → [システムの言語を設定] ではインプットメソッドの選択肢に fcitx が存在しません。

  • 8 と同様にデフォルトの Plasma 環境では Input Method Panel (kimpanel) ウィジェットに ibus のアイコンが表示されません。kimpanel に ibus のアイコンを表示させるには、ibus-daemon に --panel オプションを付けて起動する必要があります。

    ibus-daemon -d -x --panel=/usr/libexec/kimpanel-ibus-panel
  • 8 と同様に日本語環境でのデフォルトのフォントは Noto が使用されています。

  • 8 と同様に、Source Han フォント(パッケージ名は fonts-otf-source-han)がインストールされていると、「GTK アプリ上でのフォントの変更が反映されない」という問題が発生します。