2021/02/26(金)Mageia 8 リリース
出ました。
Mageia 8 は最低でも18ヶ月間(2022年8月末まで)はサポートされます。なお前版となった Mageia 7 は今年の5月末までサポートされます。
2021/02/10(水)Mageia 8: Noto フォントと Source Han フォントの共存で問題発生
初っ端にお断りしておきますが、Mageia 8 のデフォルト状態では Noto フォントはインストールされていますが、Source Han フォントはユーザーが自分でインストールする必要があり、デフォルト状態では以下に書く問題は発生しません。つまりいわゆる一つの「おま環」です(-_-;)
【環境】
Mageia 8 rc をインストール版のISOイメージを用いてインストールした KDE Plasma デスクトップ環境。
【問題の概要】
Firefox などの GTK アプリ上でのフォントの変更が反映されない。
【問題の解決方法】
問題が発生している環境には Source Han フォント(パッケージ名は fonts-otf-source-han)がユーザーによって追加インストールされた状態であったが、これを削除したところ問題が解消した。
【考察】
問題の原因は下記のいずれかだと愚考している。3 が一番怪しいか?
Notoフォントと Source Han フォントはその成り立ちからして双子のような関係であること(但しフォント名やファイル名は異なるので直接的なコンフリクトを起こすとは考え難い)
Mageia 7 でのデフォルトの日本語フォントは Source Han フォントであったが、Mageia 8 では Noto フォントに変更された。
Mageia 8 での Noto フォントには plasma-workspace 等の Plasma 関係の複数のパッケージが依存している(それ故 Plasma 環境では Noto フォントの削除は事実上不可)
ちなみに Mageia 7 では Noto フォントに依存している Plasma 関係のパッケージは無く、Noto フォントと Source Han フォントの両方がインストールされた環境でも上記のような問題は発生しない。
2021/02/06(土)Mageia 8 rc リリース
Mageia 8 rc がリリースされました。
ISO イメージは rc ではライブ版とインストール版(Mageia では "クラシック インストール版" と呼んでいる)が提供されています。
ライブ版では GNOME(64bit), Plasma(64bit), Xfce(64bitと32bit), の3種類のデスクトップ環境が提供されています。
インストール版では64bitと32bitの両方が提供されています。Mageia 8 でも32bit版のサポートが継続されています。
Mageia 8 の正式リリースは2月中に予定されています(現時点では正確な日付は未定)
Mageia 8 のフューチャーなどはリリースノートで確認して頂くとして、ここではインストール版を用いて VirtualBox 上にインストールした環境での日本語廻りで気が付いた点などを書き連ねてみます。デスクトップ環境は Plasma です。
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日本語入力関係についての構成は 7 の時と変わっていません。すなわち日本語入力に利用可能な主なインプットメソッドは下記になります。デフォルトが ibus-mozc なのも 7 と同様です。
- ibus-mozc
- ibus-anthy
- uim-anthy
- uim-skk
リポジトリでは fcitx のパッケージは提供されていますが、fcitx-mozc 等の fcitx 上で利用可能な日本語入力環境は一切提供されていません。それでも「ibus-mozc が使えれば必要十分」というユーザーであればこれで何ら問題は無いかもしれません。
しかし上記以外の日本語入力環境、とりわけ「fcitx を使用したい」という場合には、自力でなんとかする必要があります。率直に言って、fcitx または fcitx5 を用いて日本語入力したいと考えている人は、他のディストリビューションを選択した方が苦労が少ないし幸せになれると思います。
fcitx5 は提供されていません。
ibus のバージョンは 1.5.23 へ更新されています。
mozc のバージョンは 2.25.4190.102 に更新されています。ソースパッケージを確認してみたのですが、これは Fedora rawhide のパッケージをほぼそのまま流用して Mageia 上で再ビルドしたものです。
初期状態では mozc-tools パッケージはインストールされていないので、ユーザーによるインストールが必要です。
anthy は 7 と同じく UTUMI さんが公開されている anthy-9100h-20110409ut を用いてビルドしたものが提供されています。
Mageia コントロールセンター の [システム] → [システムの言語を設定] では、インプットメソッドの選択肢に fcitx が存在しません。
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7 の Plasma 環境ではデフォルトで Input Method Panel (kimpanel) ウィジェットがインストールされていましたが、8 rc では
インストールされておらず、下図のようにシステムトレイに ibus のアイコン(ステータスインジケーター)が表示された状態になっています。そこで kimpanel を追加してみましたが、ibus のアイコンが表示されません。
(それ故デフォルトでは kimpanel がインストールされていないのか?)
どうやら 8 の Plasma 5.20.4 では、kimpanel に ibus のアイコンを表示させるためには、ibus-daemon に --panel オプションを付けて起動する必要があるようです。ibus-daemon -d -x --panel=/usr/libexec/kimpanel-ibus-panel
一時的に表示を確認して見るには下記を実行すれば良いかと思います。
pkill ibus-daemon && ibus-daemon -d -x --panel=/usr/libexec/kimpanel-ibus-panel
常に kimpanel を使用する場合には、/etc/locale.conf の内容を下記のように修正すれば良いかと思います。
XIM_PROGRAM="ibus-daemon -d -x"
↓↓↓
XIM_PROGRAM="ibus-daemon -d -x --panel=/usr/libexec/kimpanel-ibus-panel"(/etc/sysconfig/i18n にも /etc/locale.conf と同様の内容が記述されていますが、システム側がこの内容を読んでいないようで、こちらを修正しても反映されません)
なお、Plasma デスクトップが起動した直後に kimpanel にアイコンが表示されていない状態になることがあります。この場合には、文字入力が可能な領域にフォーカスが移るとアイコンが表示されます。
【2021年2月25日 追記】
訂正します、Mageia 8 でも kimpanel はデフォルトでインストールされています。ただ上で述べたように、デフォルトの状態では ibus のアイコンが kimpanel には表示されていません。