2023/07/23(日)Mageia 9 rc1 リリース

Mageia 9 rc1 がリリースされました。

ISO イメージはライブ版とインストール版(Mageia では "クラシック インストール版" と呼んでいる)の2種類が提供されています。
ライブ版では GNOME(64bit), Plasma(64bit), Xfce(64bitと32bit), の3種類のデスクトップ環境が提供されています。
インストール版では 64bit と 32bit の両方が提供されています。Mageia 9 でも32bit版のサポートが継続されています。

Mageia 9 の正式リリースは9月中に予定されている模様です。


以下、インストール版を用いて VirtualBox 上にインストールした環境での日本語廻りで気が付いた点などを(8 の時とほとんど同じですが)書き連ねてみます。デスクトップ環境は Plasma 5 です。

  • 日本語入力関係については 8 の時と変わっていません。すなわち、日本語入力に利用可能な主なインプットメソッドは下記になります。デフォルトが ibus-mozc なのも 8 と同様です。

    • ibus-mozc
    • ibus-anthy
    • uim-anthy
    • uim-skk

    リポジトリでは fcitx のパッケージは提供されていますが、fcitx-mozc 等の fcitx 上で利用可能な日本語入力環境は一切提供されていません。また、fcitx5 は提供されていません。

    それでも「ibus-mozc が使えれば必要十分」というユーザーであればこれで何ら問題は無いかもしれません。

    しかし上記以外の日本語入力環境、とりわけ「fcitx を使用したい」という場合には、自力でなんとかする必要があります。率直に言って、fcitx または fcitx5 を用いて日本語入力したいと考えている人は、それらをサポートしている他のディストリビューションを選択した方が苦労が少ないし幸せになれると思います。

  • ibus のバージョンは 1.5.28 へ更新されています。但し、ibus-gtk4 は提供されていません。

  • mozc のバージョンは 8 と同じく 2.25.4190.102 です。

    初期状態では mozc-tools パッケージはインストールされていないので、ユーザーによるインストールが必要です。

  • anthy は 8 と同じく UTUMI さんの anthy-9100h-20110409ut を用いてビルドしたものが提供されています。

  • Mageia コントロールセンター の [システム] → [システムの言語を設定] ではインプットメソッドの選択肢に fcitx が存在しません。

  • 8 と同様にデフォルトの Plasma 環境では Input Method Panel (kimpanel) ウィジェットに ibus のアイコンが表示されません。kimpanel に ibus のアイコンを表示させるには、ibus-daemon に --panel オプションを付けて起動する必要があります。

    ibus-daemon -d -x --panel=/usr/libexec/kimpanel-ibus-panel
  • 8 と同様に日本語環境でのデフォルトのフォントは Noto が使用されています。

  • 8 と同様に、Source Han フォント(パッケージ名は fonts-otf-source-han)がインストールされていると、「GTK アプリ上でのフォントの変更が反映されない」という問題が発生します。

2023/07/14(金)Mageia 8: 本日の野良リポジトリ (2023-07-14)

下記のパッケージを nora リポジトリに投入しました。

  • jdim-0.10.0-1.20230713
    • ソースを更新しました。
    • 0.10.0 のリリース直後に 5ch.net で API が廃止されるという大きな変更があり、サードパーティ製クライアントが 5ch.net の DAT ファイルにダイレクトにアクセスできるようになりました。

      それにより、JDim でもこの件に関連して 0.10.0 のリリース後にドキュメントに修正が加えられたり過去ログの読み込みに対応されたりしています。

      今回のビルドではこれらの修正を反映させるため、2023年7月13日付けの git のソースを用いてビルドしています。

2023/01/19(木)Mageia 8: 本日の野良リポジトリ (2023-01-19)

下記のパッケージを nora リポジトリに投入しました。

【ライセンスについて】

今回ビルドしたパッケージでは、公開されている UT Dictionaries の内、以下の4つの辞書を使用しています。

  • 'Apache License, Version 2.0' で公開されている NEologd から生成された辞書
  • 'Apache License, Version 2.0' で公開されている SudachiDict から生成された辞書
  • 'Apache License, Version 2.0' で公開されている personal-names 辞書
  • 'Public Domain' で公開されている郵便番号データから生成された place-names 辞書

(辞書の内容的には野良リポジトリで以前に提供していた mozc-ut-neologd パッケージとほぼ同等となります)

これら4つの辞書をパッケージのビルド時に merge-ut-dictionaries で提供されているツールを用いてマージし、生成されたデータを 'BSD 3-Clause License' で公開されている mozc の辞書に結合してパッケージ化を行っています。

上記のような内容のパッケージおよびそのパッケージを配布することは、ライセンス的には問題は無いものと私は考えています。

2022/12/31(土)Mageia 8: 本日の野良リポジトリ (2022-12-31)

下記のパッケージを nora リポジトリに投入しました。

  • mozc-2.28.4960.102-2
    • Mozc を 2.28.4960.102 (rev.7ec82c9) へ更新しました。
    • Mageia 8 で提供されている Bazel のバージョン (ver.3.7.2) が旧すぎるのが原因と思われるビルドエラーが出るようになった為、Bazel のリポジトリで提供されている Linux 向けの汎用の実行形式のバイナリー (ver.6.0.0) を用いてビルドするように変更しました。
    • Mozc がインストールに必要な生成物を mozc.zip として出力するようになったので、パッケージの作成に際してこの zip ファイルを利用するように変更しました。
  • mozc-ut-neologd-2.28.4960.102-2.20221230
    • mozc パッケージと同様の変更を行っています。
    • Mozc UT NEologd 辞書を20221230版へ更新しました。